コットンリリーフコラム

大切なタオルをいつまでも。上手なお手入れ基礎知識

タオルの毛羽落ちの原因と防ぐ方法


タオルを長い間使っていると、徐々に古くなっていきますし、何らかのトラブルに見舞われることがあります。色落ちや、破れなどがありますが、今回ご紹介するのは「タオルの毛羽落ちと糸抜け」。毛羽落ちとは、糸抜けとは? そして、防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?

毛羽落ちとは?

身体や顔を拭いているときに、タオルの毛羽がくっついてきたり、食器を拭いたら食器に毛羽や糸がついたりといったご経験をされた方は多いと思います。細かな綿繊維の場合を「毛羽落ち」、糸の場合を「糸抜け」といいます。一般的には繊維の抜け落ちとも呼ばれており、程度の差はありますが綿糸で出来ているどんなタオルでも発生します。

特に使い始めた頃によく起こるトラブルで、洗いこめば次第に収まってくることが大半ですが、タオルによっては長い間発生することもあります。

毛羽落ちの原因

タオルを形づくっている“綿糸”は綿花の綿毛の繊維を撚り合わせることで出来上がっています。この綿繊維は10数ミリ~30数ミリ程度の長さです。それぞれの繊維は自然に捩れています。この捩れが繊維表面の摩擦を引き起こして繊維の束になります。これが“綿糸”です。タオルの表面には“パイル”と呼ばれるループ状の糸が密集していることと、このパイルループが自由に動くことで、綿糸そのもの弾力が柔らかい肌触りを生み出しています。
ところが、この自由に動けるパイルループは、擦られることで繊維が解けやすく、繊維の脱落=毛羽落ちを引き起こします。

毛羽落ちの原因はいくつかありますが、主なものは“摩擦”に由来するものです。
柔軟剤を使用することがよくある原因のひとつとしてあげられます。
柔軟剤は、主成分が界面活性剤であるため、綿繊維の表面が滑り易くなることから毛羽落ちを発生させる原因となります。
お洗濯の際の水量が少ない場合も、タオル表面の綿繊維がタオルやほかの衣類と摩擦しやすくなり毛羽落ちを発生しやすくします。最新の斜めドラム式洗濯乾燥機は節水型で水量が抑えられており、衣類同士の摩擦を活用する洗い方の仕組みのため、毛羽落ちを促進します。

最初はどんなタオルでも、染色工程に落としきれなかった毛羽が残っているため、毛羽落ちしやすい状態となっています。一度水を通したタオルは水を吸うと収縮する綿糸の性質によって、毛羽落ちがぐっと低減します。2~3回洗濯をするとほぼ気にならない程度に落ち着きます。初期のお洗濯に柔軟剤を使用すると綿糸本来の性質が発揮されないため、綿繊維の脱落が止まりません。継続して繊維の脱落が起こると、糸やせも早くタオルの寿命も短くなります。

毛羽落ち、糸抜けをしやすいタオルの特徴

「シャーリング」「起毛」などの加工がほどこされている製品では、毛羽落ち、糸抜けしやすくなっているものが比較的多いといえるでしょう。

「シャーリング加工」とは、パイル地のループの頭部分を均一にカットして、芝生のような状態に加工されたもののこと。顔料や染料、インクジェットのプリント加工を施す場合によく用いられている加工方法です。なめらかな肌触りになりますが、細かい毛羽が付着することが多いです。通常のパイル糸はタオルの縦方向に端から端まで糸が繋がっていますが、シャーリング加工をしたタオルはパイルループ一つひとつが切断されているため、糸抜けが起こりやすい構造になっています。パイル糸を保持しているのは周囲の糸との摩擦だけなので、充分な密度の有る織組織のタオルが必要です。

「起毛加工」とは、パイル地のタオルの表面を摩擦させてもこもこさせる加工のこと。ふんわりとした風合いは羊のようで、柔らかい肌触りが魅力ですが、その分毛羽落ちが多くなってしまいます。

毛羽落ち、糸抜けを防ぐための方法

毛羽落ちを防ぐためには、洗い方や干し方に注意を払いましょう。

洗う際には、繊維へのダメージを極力軽減するよう、タオル同士やタオルとほかの衣類がこすれないように多めの水量やネットに入れるなどして洗濯しましょう。ループとループがからまりよじれた状態で洗濯すすぎを行うと、毛羽落ちが発生することがあるので、多めの水でドライモードなどゆったりとした流速ですすぐのがポイント。特に節水型の洗濯機の場合には洗濯の際の水量を多めに設定するよう注意してください。
柔軟仕上げ剤はタオルが硬く感じるようになるまで使用しないか、10~15回に1回程度とし適量を守って使用してください。

干すときには、タオルの耳(長辺方向の端)の端を両手で持ち、パタンパタンとよく振ってパイルをほぐしてあげます。優しく引っ張りながら干すと毛羽落ちも軽減され、ふんわりと乾かすことができます。

最初はどんなタオルでも毛羽落ちするもの。この特性を考慮して、上手に毛羽落ちと付き合っていきましょう。